路地裏の空

創作日記・乱調随筆

九月の宵、虫の声に耳澄ましています。熱帯夜なんですけど。

秋の祭りの神輿の修復が神社の境内で始まっていた。
秋の実りを祈り、あるいは感謝する祭りが近づく。

でも、まだまだ夜も昼も暑い。

夜の散歩からの帰り、気づいた。

虫の音が聞こえるじゃないか。
しかも、立ち止まってよく聞いていると

あれは、松虫。
あ。コオロギも。
鈴虫もいるんじゃないか。

いつの間にか草むらは秋がやってきていた。

 

クーラーをかけていたから聞こえなかったのか、
それとも昨夜あたりから急に鳴き始めたのか。

家に帰って
クーラーはやめて扇風機を回した。

窓を開けて電灯を消し、椅子に深く座って
耳を澄まして虫の声を聴く。

小さな庭だが荒れている分、いろいろな虫たちの演奏会が始まっている。

 

さて、この九月の宵を
秋と呼ぶべきか
夏と呼ぶべきか。

 

たとえば俳句の人たちはどうする気でいるんだろう。

扇風機の風受けながらも虫の声

こんな句があったら、季節はいつで季語はどれにするんだろう。
駄句だから相手にもしないんだろうけど。
どう解釈するか、屁理屈こね回すのを見てみたい。

今年は特に暑かったから、なんてのは通用しないからね。
この十年ばかり、ずっと九月は真夏日が大半なんだから。

つくづく私は俳句関係の人たちが嫌いなんだな。