青春18切符を買うのは何度目だったか。数え直すのは面倒なんだけど、7回は買っているはず。
今回の青春18切符は、気づいたら発売締め切りぎりぎりだった。だったので、特に計画性もなく、みどりの窓口にふらふらと並んで、そのまま惰性で買ってしまった。
とりあえずまず日帰りで3月中に出かけようとしたのだけど、春雨前線絶賛活躍中。
山奥のダムが満水になるほどにマイニチ毎日降り続いた。いや、雨の中でかけてもいいんだけど。まあ、いいっちゃいいんだけど。春の雨の中をゆくローカル列車の風情を感じるのもいいんだけど、いいっちゃいいんだけど。
結局、天気予報が晴れ間を告げたのは、切符の使用期限寸前の4月5日。
まあとにかく出かけてみることした。
青春18切符は一冊で5回分ある。一人で使うなら五日分ということだ。
そして、青春18の元を取るためには
1日で運賃2400円以上の区間を乗らなくちゃならない。というようなセコいことを考える人はわりといる。今日はいくら分を乗車したと言っているのを聞くことは少なくない。
これが、ふらっと日帰りで無計画に出かけたのではなかなか達成できない目標になるのだ。ふと気にとめた駅で降りたはいいが、長居してしまうと残り時間がなくなり、ついには運賃2000円もかからないということもままある。
まあ、セコい話だ。だいたい2時間も乗れば運賃は1000円。往復すればで2000円は超えるのだが。この日はとりあえずの上り列車に乗って、とりあえず下りたことのなかった町に降りて、駅近くに一軒だけやっていた食堂で蕎麦を食って帰ってきた。
ところで、青春18の旅人を見つけるのは割と簡単だ。
まず、我々は自動改札を通れない。
乗り降り自由であるということは、有人改札で青春18きっぷ旅であることを確認してもらわねばならないということだ。
だから、わざわざ有人の改札を避けていく若者や老夫婦は大抵青春18切符利用者だ。
もう一つ、早朝始発の普通列車には、青春18切符で旅する若者が何人か乗っている。(若者とは限らんけど) それも、横一列シートではなく二人掛け席のある車両に乗る。あさぼらけのホームの風情を味わいつつ列車は駅を出るが、彼らは大抵しばらくもしないうちに眠りこける。始発の普通列車は終点までかなりの距離があるのが通常で、彼らの目的地は大抵その終点で、しかもそこから乗り継ぐ。
といったことで、青春18の同志は割と簡単に見つけられる。でも、だからといって彼らは安易に語り掛けてきたりはしない。彼らは孤独な貧乏旅行者でありたいのだから。老夫婦にしたって、つましくとも楽しい二人の旅の途中なのだから。
などとのたまっているけど、
結論からいうと2024春の部は、このあと、もう一度下り列車に乗ってふらふらする日があっただけで、まったくもって不本意な散々な結果に終わったのでした。
あ、でも、近年にない遅い桜のおかげで、さくら舞い散る鉄旅としては最高の風情を楽しみましたぞ。